他人と比べてしまう

先日、友人の新居に遊びに行った。

シックでいて華美でない、洗練されたデザインのリビング。

使い勝手の良さそうなキッチンと洗面所。

羨ましい限りであった。

すでに第一子も誕生し、幸せのお手本のような感じだ。

とても仲の良い友人であるため、付き合いたての頃も、結婚のときも、子供が生まれたときも、私自身、とても喜んだのを覚えている。

私よりも幾つか若いにも関わらず、旧友のように親しくしてくれるその友人を、私はとても尊敬しているし、大切にしたいと思っている。

 

しかし、私の心の中に芽生える、この「嫉妬」という悪魔は、消そうにも消しきれない感情となって、私の体内を、もう何周もしている。空の洗濯機をずっと回すかのように。

 

羨ましいのだ。

それは、認める。

友人は、私が欲しいと思うものをことごとく手に入れている(ように見える)。

容姿。パートナーとの出会い方、結婚~の流れの良さ、相手のスペック(言い方が悪いのは許してほしい。それ以外に言い方が分からないのだ。)

 

ずっと、「自分は自分」と思ってきた。

だけど、同時に、相手と比べ、自分を惨めだとか不憫だとか思う気持ちも芽生えなくはない。最近は、ずっと、この「他人と比べてしまう」自分と闘っている。

 

 

なぜ、人は「他人と比べてしまう」のか。なぜ「他人と比べるのはよくない」のか。

 

まず、「他人と比べてしまう」現象について。

単えに、「競争社会」だからである。現代=競争社会、と言いたいのではない。人類が誕生してから、或いは、生物というものは、多かれ少なかれ競争して生きるものだと言いたいのだ。競争の基準が、時代や生物の種によって異なるだけなのだ。

現代の人間社会において重要視される点は、「他者からの羨望」ではないだろうか。現代社会は、人間のもつ自己顕示欲をさまざまな形で提示することができる。例えば、このブログ、多様なSNS。動画配信サイトである。以前は、テレビ・ラジオ・新聞など、企業や機関を通さなければ情報を発信することができなかったが、今は一般人が自身を発信するためのツールにあふれている。人は、「他者からの羨望」を求めている。羨望の先はいろいろで、経済力であったり、奇抜な実験であったり、努力(の過程やその成果)であったり、自分では思い付きもしない作品や製造物である。

また、「他人と比べてしまう」ときは、視野が狭いときである。世の中には70億人も人がいて、70億とおりの人生を歩んでいるにも関わらず、身近な、近い年齢の、数名と自分を比べることの、なんと無意味なことか。その狭いコミュニティの価値観や風習だけに囚われて、広い世界とともに、自分を見失っているのである。自己肯定感が低い人や低いときに起こりやすい。

 

では、「他人と比べるのはよくない」か否かについてである。

結論から言うと、「精神衛生上よくない」と思う。これは、私自身、何度も経験したから言えることである。「他人と比べて、よかった」と後々思うことは、一度もない。比べるときは落ち込むときである。あるいは、落ち込んでいるときは比べているのである。また、比べることで自分が優位に立つ瞬間もあり、それはそれでキモチガイイものなのだろうが、その立場が揺らいだ瞬間、ただならぬ絶望感と喪失感を味わうため、やはり、イイトキも比べるのはよくない。

先ほども述べたが、「他人と比べてしまう」ときは「視野が狭い」ときである。精神的に狭い空間だけで生きていると、うまくいったときは井の中の蛙となり、うまくいかないときは、青菜に塩みたいになる。

 

他人と比べないためには、どうすればいいのか。

よく説かれるのが「自信をもつ」という解決方法であるが、そもそも実自信(=じつじしん。本物の自信のこと。筆者の造語)のある人は、他人と比べたりはしない。

実自信を持つためには、どうすればいいのか。

今日からできることは、自分を見つめることである。自分の「今」を見つめることである。私の場合、「ああ、今ブログ書いてるな」「たくさん書いてるな」を頭の中で唱えることである。「このあとどうするか」や「先に、あれをすればよかった」などを考えないのである。まさしく「今を生きる」ことに、全力を注ぐのである。未来のことを考えなければならないのなら、未来のことを計画として「今」考えるのである。紙や手帳に計画を「今」立てるのである。過去の亡霊に囚われたり、未来の妄想に振り回されたりしない。「今」この瞬間の自分を、ただぼうっと見つめるのである。

 

だから、私はYouTuberセイキンさんの「今」という歌が好きだ。また、そのメイキング動画が好きだ。まさしく「今」「曲作りに集中しているぞ」という、余計な情報がないところがまたいい。せっかくなので、ブログにリンクを乗せておくから、ぜひ観てほしい。 

▶SeikinTV「今/ヒカキン & セイキン 作曲シーン【メイキング】」https://www.youtube.com/watch?v=9j780Rg0ceM

 もちろん、曲そのものも。

 ▶SeikinTV「今 / ヒカキン & セイキン」

https://www.youtube.com/watch?v=1fiDau5i0Zg